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070616ファルスタッフ@新国立劇場 [オペラ]

「ファルスタッフ」
作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ
原作:ウィリアム・シェイクスピア
台本:アッリーゴ・ボーイト
指揮:ダン・エッティンガー
演出:ジョナサン・ミラー

ファルスタッフ:アラン・タイタス(バリトン)
フォード:ヴォルフガング・ブレンデル(バリトン)
フォード夫人アリーチェ:セレーナ・ファルノッキア(ソプラノ)
クイックリー夫人:カラン・アームストロング(ソプラノ)
フォードの娘ナンネッタ:中村恵理(ソプラノ)
ナンネッタの恋人フェントン:樋口達哉(テノール)

「ばらの騎士」に引き続き、演出はジョナサン・ミラー。
相変わらず舞台は上品にまとめられている。

金に困った色男気取りの老騎士ファルスタッフは、
滞在先の地方の小金持ちの人妻、
フォード夫人アリーチェとページ夫人メグを誘惑し、
金づるにしようとラブ・レターを書くが、
横着をして同時に二人に同じ文面で手紙を書いたため、
実は仲良しの二人はファルスタッフの企みに気づき、
騙されたふりをして、彼を懲らしめようとする。
アリーチェがファルスタッフの気を引くための演技をしていると
妻が不倫していると信じたアリーチェの夫フォードが
激怒して現場に踏み込む。
洗濯籠に逃げ込んだファルスタッフはアリーチェ達の指示で、
テムズ川に投げ込まれてしまう。
そうした騒ぎと平行して、フォード家の娘ナンネッタは
親の意志に反して、若者フェントンとの恋を進行中(第1、2幕)

ずぶ濡れになり落ち込むファルスタッフのところに
再度アリーチェの使いとして、クイックリー夫人が訪れ、
夜の公園でアリーチェが待っていると話を持ちかける。
自分がもてると信じて疑わないファルスタッフは、
まんまとまた罠にかかり、妖精に扮した住民たちに散々に嬲られる。
ようやく罠に気づいたファルスタッフは、
「自分の機知で、みんなが賢くなった」とうそぶき、
皆と一緒に「世の中全部冗談だ」と歌い上げる。
この騒ぎの中で、ナンネッタとフェントンの想いも
親たちに認められ、結婚が許される(第3幕)。

ファルスタッフを演じるアラン・タイタス以下、
キャストがみんなノリノリで、コミカルに歌い、演技していた。
皆すばらしい歌手であり喜劇役者だった。
舞台の各所で同時に展開する細かいコントを見逃すともったいない。

歌は、特にフォード夫妻の娘ナンネッタを演じた
中村恵理の声が美しかった。

「憎まれっ子世にはばかる」ではないが、
自分の夢と欲望に忠実で、どっこいしぶといファルスタッフ。
お金もない、権力もない、品がなく、人気もないが、どこか憎めない。
老いてはかくありたいとちょっと思った。


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070609「ばらの騎士」@新国立劇場 [オペラ]

「ばらの騎士」
作曲:リヒャルト・シュトラウス
台本:フーゴ・フォン・ホーフマンスタール
指揮:ペーター・シュナイダー
演出:ジョナサン・ミラー

元帥夫人マリー・テレーズ:カミッラ・ニールント(ソプラノ)
夫人のいとこのオックス男爵:ペーター・ローゼ(バス)
マリーの恋人オクタヴィアン伯爵:エレナ・ツィトコーワ(メゾ・ソプラノ)
新興貴族ファーニナルの娘ゾフィー:オフェリア・サラ(ソプラノ)

まず目を引いたのは洗練された舞台装置と衣装。
遠近法を利用して元帥の邸宅の広さをしっかり見せつつ、
淡色を中心に上品にまとめている。
衣装は華美すぎず、しかし上質な感じ。

次はストーリーのイメージを裏切らないキャスト。
カミッラ・ニールント演じる女盛りの元帥夫人マリー、
男装したエレナ・ツィトコーワが演じるオクタヴィアン伯爵、
オクタヴィアン伯爵が劇中で女装した「小間使いマリアンデル」
オフェリア・サラ演じる新興貴族の若い娘ゾフィー、
いずれも役柄にふさわしく、かつ艶のある声と演技だった。

ストーリーは一言で説明するのは難しいが、
中心となるのは元帥夫人の人間としての成長だろう。
家を空けてばかりの元帥の夫人マリーは、
若く美しいオクタヴィアン伯爵と甘いひとときを過ごすが、
若さあふれる恋人を見ると自分が年上であること、
いつか彼が自分より若い娘に
心を移すであろうことをおそれざるを得ない。

そしてその日はすぐに訪れる。
オクタヴィアンはオックス男爵の婚約の使者として向かった
新興貴族ファーニナルの邸宅で
オックス男爵の婚約相手ゾフィーと一目で相思相愛となる。

なんだかんだでオックス男爵は、
とにかく女と見ると抱こうとするような単純さがたたって、
女装したオクタヴィアンの罠にかかって、
関係者の前で自らの自己中心性と品行の悪さを露呈して自滅。
婚約は破棄されウィーンから放逐される。

そして、残された元帥夫人マリー、オクタヴィアン、ゾフィー。
オクタヴィアンは、自分に愛と官能を教えてくれたマリーと
新しい恋人ゾフィーを前に動くに動けない。
ゾフィーは女盛りのマリーとならぶオクタヴィアンを見て、
オクタヴィアンが愛しているのは今もマリーだと絶望する。

そしてこの関係を打開すべく、マリーは自ら動く決断をする。
時は移り、若き恋人の心もまた移り変わるのだ。

終幕直前の3人の美人歌手(1人は男性役だが)の三重唱は
ぞくぞくするほど官能的で、そして切なかった。

後ろの年配の女性は三重唱の途中から嗚咽を漏らし、
カーテンコールは「ブラボー!」の嵐だった。

いいものを見せてもらった。


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